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ロンドン大学教育学研究所博士課程(UCL Institute of Education)の様子とは?

UCL EPSイギリスの大学院
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saya

・UCL博士課程在学中
・UCL修士課程修了(Distinction)
・直感でやりたい!と思ったことはとりあえずやってみる性格です

学問:教育社会学
前職:小中学校教員 / 日本語教師
興味:文化の違いを楽しむこと
趣味:旅行 / ヨガ / 温泉めぐり
英語:IELTS7.5 / TOEIC 900

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はじめに

みなさん、こんにちはSayaです。

私は現在ロンドン大学教育学研究所の博士課程の学生として日々勉強に励んでいます。

私の所属先の正式名称は、MPhil/ PhD Dept. Education, Practice and Society, Institute of Education, University College Londonです。

こちらの研究科には、おそらく日本人の博士課程の学生も在籍しているのかもしれませんが、私は今まで一度も日本人の博士課程の学生さんと出会ったことがありません。

でも、きっと数年に1人は入学しているような気がします。

今回の記事では、そんな私が所属する教育学研究所の博士課程について、ご紹介していきたいと思います。

MPhil/PhD Education, Practice and Society の概要

MPhil/PhD Education, Practice and Societyの概要
  1. 期間:3年
  2. 応募条件:イギリスの大学の修士課程でMerit以上の成績を有する者 または、それに値する学位を有する者(その他、学問に関連する分野における経験も選考段階で考慮される)
  3. 面接試験:あり
    (指導教官と副指導教官となる予定の先生2名)
  4. IELTS:Overall 7.5 (each component 6.5)
  5. 推薦状:2通(イギリスの大学を卒業・修了している場合は、必ず1通はイギリスの大学の先生から書いてもらう必要あり)
  6. 授業料:18,660ポンド(約280万円)*1ポンド=151円

\ 補足説明 /

  • 博士課程の期間は3年間であるとされていますが、3年で博士号を取得する者は少ないようです。リサーチフレームワークにもよりますが、だいたい4年かかる者が多く、4年目はWriting Up Yearと呼ばれ、授業料の支払いなしに、大学の在籍資格を得ることができます。5年以上かかる場合は、5年目からは通常の授業料を払う必要があります。

  • 面接試験は、通常オンラインで行われます。面接日は、指導教官と連絡を取りあい、日程が決定します。基本的に副指導教官は、指導教官が連絡を取り、決定することが多いです。しかし、副指導教官が見つからない場合は不合格となるでしょう。

  • 博士課程の場合は、入学枠の制限は基本的に存在しません。指導をお願いしたい指導教官が「合格」とした場合に合格をいただけます。

  • UCLの先生方の場合、毎年世界各国から博士課程に進学したいという学生から連絡を受けるため、メールへの返信はほとんどしない人が多いです(私が話を聞いた先生は、年に2〜3人程度にしかメールの返事をしないらしいです)

ロンドン大学の博士課程に入学する方法とは?

ロンドン大学の博士課程に入学する方法あ、一つではないような気がします。

きっと、入学した全員がそれぞれ異なった方法で合格枠をもらっているので、実態は「不明」というのが正直なところです。

ただ基本的には、「研究計画書を作成し、指導をお願いしたい先生を見つけ、メールでアポを取り、研究計画書を読んでいただき、オンラインで面談をする。」というステップを踏むことは共通しているでしょう。

また、イギリスの修士課程に在籍している方であれば、自分の指導教官に博士課程に興味があるという旨を伝えるところからスタートするのもありです。

\ 補足説明 /

  • イギリスの場合は修士課程と博士課程は全くの別物であるという意識は持っておいた方がいいです。

  • 日本では、修士課程の指導教官がそのまま博士課程でも指導を受け持ってくださる場合が多いですが、イギリスの修士課程は一人の先生が5−10人の修士の学生を持つこともあったり、修士論文の内容の専門ではない先生が指導教官となることがあったりします。

  • 大学の先生の中には、修士の学生は指導できても、博士の学生を指導することができない先生もいますから、修士課程の先生がそのまま博士課程でも担当教官になってくださることはあまり期待しないでおいたほうがいいでしょう。

ロンドン大学博士課程の特徴

自由度が高い

ロンドン大学の博士課程は、とにかく自由度が高いです。

私たちに求められている課題は、基本的に必須科目2科目の履修と、自分の研究に関連するセミナー等への参加をして年20ポイント集めること、そして博士論文の執筆です。

ポイントの集め方は、学生各々の裁量に任せられているのですが

学期ごとに博士課程学生向けに開講されているセミナーに参加したり、学会に参加したりすることで集めることができます。

その他、学内の活動として自治会の運営委員になったり、ボランティア活動に参加したりすることもポイントとして換算されるので、勉強以外の活動でも20ポイントを集めることができます。

研究等で長期的にフィールドワークに出かけなければいけない場合も、そのフィールドワークの期間に応じてポイントがもらえるので、20ポイントを集めるのは、結構簡単です。

博士課程の学生には、メールで色々な活動への参加案内が毎日のように送られてきますので、どれに参加して、どれに参加しないか、そして、20ポイントをどのように集めるのか?という点は、自由に考えることができます。

個人学習の時間が多い

先ほど述べたポイントに関連する活動への参加以外は、個人学習の時間です。

2021年現在はコロナの影響もまだ残っているので、授業はオンラインで開講されているものも多く、1週間誰とも会わず家で過ごしてしまった!という生活ができるほど、個人学習の時間が長いです。

きっとこのような生活は、人によって合う合わないが分かれるかもしれません。

ずっと家にいることができるのは、とても良いように見えて、自己管理が非常に重要になってきます。

博論を書くとい作業は長期間に渡る作業ですから、自分で日々のスケジュールやルーティンを決めないと、土日も忘れて勉強ばっかりしてしまうことだってできます。

または、ずっと家にいるということは、勉強とリラックスの境目が曖昧になってしまい、あまり勉強に集中して取り組めないということだっておこります。

なので、個人学習が中心であるというのは、自己管理をしっかり行えなければ、本当に生活から勉強、人間関係まで、うまくいかなくなる可能性があるということなんです。

とりあえずメンタルヘルスと人脈作り

ここまで記事を読んでいただくと、イギリスの博士課程は、なんだかシンプルなようで、孤独な雰囲気もあったり、自己管理が重要であったりと、少し日本の博士課程とは異なった雰囲気を感じると思います。

日本の大学であれば、ゼミがあったり、周囲の博士の学生がどんどんと学会に参加している様子を見て、自分もがんばろう!というモチベーションを高めていったりという雰囲気なのかもしれませんが(私も体験したことがありませんので、私が学部生の頃に感じていたイメージはこんな感じです)

イギリスの博士課程の学生は、本当に一人での戦いであるといってもいいかもしれません。(特に文系の場合です)

でも、全くの一人ではありません。

ちゃんと同期の学生がいますから。

ただし、その同期の学生と繋がりを持つのも、持たないのも、自分の選択となります。

自ら積極的にイベントに参加したり、他の博士の学生にどんどんと声をかけていったりするといった努力をして、人脈を広げていく必要があります。

私の指導教官は次のようにおっしゃっておりました。

先生
先生

博士の学生は誰とも繋がりを持たなくても、物事を進めることはできるけれど、メンタルヘルス面からすると必ず同期の学生と繋がりを作って研究の話をして仲を深めておきなさい。

最初は、どんな意味なんだろう?と思っていたのですが・・・

博士課程がはじまって数ヶ月、先生のおっしゃっていた意味が少しずつ分かってきたような気がします。

たしかに、とっても孤独になる上、他の学生が優秀でどんどん先に進んでいるのでは?と想像が膨らむ日があったりするんです。

でも、そんな時に博士の仲間と少しコーヒーブレイクをすると、そんな妄想が一気に吹き飛んでいく感覚があります。

やっぱり、持つべきものは友だなぁと感じます。

博士課程の学生の多くが教員または教育関連の仕事を経験している

これは私の学科の特徴かもしれませんが

博士課程の学生の多くが教員経験者であったり、教育関連の仕事に従事していた経験を持っている方が多いです。

年齢層も40代、50代の方々がたくさんいます。

なので、学部からストレートで博士課程に入ってきた人は・・・私が知る限りでは2人しか知りません(といえど、私の知り合いは多いわけではないので、実際のところはもっといるはずです)

そんな環境ですから、世界中の教育現場の様子を聞けるのは、本当にロンドン大学の教育学研究所の良さだと感じます。

一つの物事に対する視点や課題が、文化・環境・言語・制度などが違えば、これほどまでに違った考えに至るんだ〜という発見があって、毎回色々な学びがあります。

学生の国籍が多様

先に少し述べたように、学生の国籍は多様です。

ロンドン大学の修士課程の時も、たしかに色々な国から修士号を取得しに来ている学生は多かったのですが、留学生の多くが中国からの学生だったのも事実でした。

なので、多様性といっても、中国人の学生が多くて少し残念な気持ちになりました。

でも、博士課程は違いました。

授業に参加しても、学生の国籍に偏りがあるような印象は全く受けません。

そのため、修士課程の頃のように、言語的な壁ができ、アジア系と欧米系が分かれてしまうような雰囲気もなく、みんな一緒に授業に向き合っている感覚があるのが、嬉しいです。

何かしらの奨学金を獲得している人が多い

博士課程に進学するとした場合、博士号取得までの最低3年間の授業料と生活費をどうするか?という問題が大きくのしかかってきます。

イギリス人学生であれば、留学生の半額程度の学費で済む上、パートタイムの学生として登録をすれば、平日は仕事をして休日で博士論文の執筆をするような生活をしながら、パートタイムの授業料なので、奨学金がなくても自費で博士号を取得している人がいます。

しかし留学生の立場の場合は学費が非常に高いです。

そのため、現地に滞在しフルタイムで勉強をしている留学生はどこかしらから奨学金を取得してきている場合が多いです。

同期の韓国人の学生は、韓国政府が教員枠で博士号を取得することを目的とした奨学金を取得して派遣されてきていると言っていました。

その代わり、帰国後は教師として元の現場に戻らなければいけないということを言っていたのですが、日本には教員向けの博士号取得を目的とした奨学金制度がないので、結局私のように教員を一度辞めて、その先不安定という立場で留学しなければいけないんですよね。

どちらが良いのかはさて置き、少し余談となってしまいますが、その子の話を聞いて、日本も教員枠の大学院留学制度を作るべきではないのか?と感じました。

子育てしている人が多い

意外にも、博士課程に在籍している女性の多くが子育て中のママでした。

私の指導教官もUCLで博士号を取得したのですが、先生も博士課在籍中に出産して子育てをしながら博論を書いたとおっしゃっていたので、みんなすごいな〜って思って見ています。

日本では、女性が博士号を取得するという道は、まだまだ珍しいので、子育てをしながら博士号を取得するという人生の選択は、私には想像をすることができなかったのですが

同期のママさん方が、「これから子どもを学校にお迎えに行くね〜!」と言って、大学の図書館から小学校へ行く姿を見て、尊敬の念しかありませんでした。

(追加で・・・)
最近、「昨日出産したから授業お休みしまーす!」という同期の学生もいました。

本当にみんなすごいです!

Teaching Assistant や Research Assistant の仕事が回ってくる

最後になりますが、イギリスの大学は授業料は高い上、生活費も高いので、何かしらの奨学金がなければ博士課程に進学することは難しいでしょう。

一応学生ビザを取得すると、現地の就労は可能ですが

勉強と仕事の両立を図ることも結構大変そうです。

幸いにも、今の私は奨学金と過去に働いていた頃のわずかな貯蓄で生活を成り立たせていますが、この先はどのくらい貯金が減ってしまうのか・・・少し不安があるのも事実です。

そんな状況ですので、博士課程の2年目か3年目になったら学内でティーチングアシスタントやリサーチアシスタントの仕事に応募してみようかとも思っています。

博士の学生になると、ティーチングアシスタントやリサーチアシスタントの募集案内がメールで回ってくることが多々あります。

その中には、私が修士課程で受けていた授業のティーチングアシスタントの仕事もあったりしました。

基本的には、セミナーの運営や学生のエッセイへのフィードバックだったりするのですが・・・

果たして私の言語力で、ネイティブのディスカッションのファシリテートや、エッセイの添削なんてできるのか?という疑問があります・・・。

とにかく、博士課程に進学すると、こんな機会もあるので、チャレンジの壁は少々高いにせよ、生活費の足しになるお仕事の機会があるのは嬉しいなと思っています。

終わりに:ロンドン大学の博士課程に来れて幸せです

今回の記事では、私が所属するロンドン大学博士課程の様子についてまとめていました!

みなさん、どのようなご感想を持たれたでしょうか?

博士課程に進学することは、本当に人生の大きな選択だと思います。

私は、教員として仕事を始めた当初からいずれは博士号を取得したいという思いが心の底にありました。

当時は日本の大学の博士を考えていたのですが、色々なご縁でロンドン大学の博士課程に進学することができました。

しかし、実際のところ、この道は多くの方には強く勧められません。

というのも、海外の博士課程へ進学するためには、とても長い年月、経済的にギリギリの生活をしながら、将来に不安を抱えながら生きていかなければならないからです。

そして、英語が第二言語である私たちが異国の地で博士号を取得するのは、また違った困難も伴います。

だからこそ、私は安易に「海外の博士課程は楽しいよ!」というポジティブな意見は述べたくないと思っています。

でも、私の個人的な感想としては、今この環境にいれることはとても幸せです。

自分が一生懸命考えてきたこと、学びたいと思ってきたことに耳を傾けてくれる世界中の学生に囲まれ、色々な国の状況を知りながら、私の研究に価値を見出してくださる指導教官に出会えたことは、なかなか体験できることのない人生経験だからです。

なので、研究でシンドイ時、言語の壁に悩んだ時、勇気を振り絞って英語で発表をする時でも「このような経験をさせていただけるチャンスがあることが幸せである」と思えます。

今この文章を読んでいる方の中には、きっと海外の博士課程への進学を目指している方もいることでしょう。

きっと、その挑戦は困難を極めることも多いかもしれませんが、その先には、本当に素敵な経験があると思いますので、一度もった夢であるならば、ぜひその夢を諦めずに達成していただきたいと願っています。

皆さんの挑戦を陰ながら応援しております。

【詳しいSayaのプロフィール】

この記事は、ネット上でも少ないイギリスの博士課程についての情報です。

ですので、このような貴重な情報を多くの方々に届けるためにも

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よろしくお願いします。

最後に、私の博士課程進学にあたって、決断したことについてはnoteにも綴っておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

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