みなさんこんにちはSayaです。
早いもので、私も博士課程に進学して3年目となりました。
博士候補生になったのが2023年の4月、博士候補生になるまでもいろいろと大変ではありましたが(参考:「やっと博士候補生PhD Candidateになれました」)博士候補生になってからは、すぐさまデータ収集のためフィールドワークに旅立つことになりました。
私のフィールドワーク先はタイでしたので、2023年6月から8月までの3ヶ月、私はタイ国内を駆け回ってきました(えっと・・・、大袈裟に表現しすぎかもしれませんが、タイの至る所へ出向いていたのは事実です・・・)
さて、今回の記事では、私がどのようなフィールドワークを行ってきたのか?ということをちょっとだけご紹介したいと思います。
フィールドワークの内容
私の研究の研究方法は「混合研究法」です。つまり、私の博士研究ではアンケート調査とインタビュー調査を実施しています。
そのため、今回のフィールドワークは対面でのインタビューを実施することが一番の目的でした。3ヶ月という期間を設定したのは、タイに観光ビザで滞在できる期間が最大3ヶ月ということや、UCLの夏学期が終わることに帰ってこれるようにという計画にしたためでした。
この期間、私は現地に滞在しながら調査の対象の方々とお会いしてお話しを伺ってきました。
振り返ると、博士課程に進学したばかりの頃は、コロナウィルスの行方が心配で、私はフィールドワークが実施できるのか?と不安に感じていたのを覚えています。しかし、今回、無事フィールドワークが実施できて、とても安心しました。
1−2年上の先輩方の中には、フィールドワークが実施できなかった人もいますし、フィールドワーク実施可能な時期まで休学する人や渡航準備に時間やお金がかかってしまった方々も多く、本当に大変だったと聞いております。
私の場合は無事インタビューを対面でできるだけでなく、タイの学校訪問することも叶いました。訪問先は、中学校、高校、大学、そして、夜間中学校のような学校です。合計4校訪問させていただき、生徒のみなさんに私の経験を発表する機会をいただきました。
私はほんの少しだけタイ語がわかるので、そんな私のサバイバルタイ語を活用しながら生徒のみなさんに授業をしてきました。それでも、授業を行うには私一人では限界があるので、私の研究に付き合ってくれているタイ人の通訳とともに、何度も打ち合わせを重ねて授業を作り上げてきました。
学校訪問は本当に貴重な経験でした。授業をタイ語行うという経験を通して、タイ人の通訳と私の間に強い絆が生まれたのも事実です。終わった後は、二人して「やりきった!」という満足感に満ち溢れました。もう少しフィールドワークの期間が長ければ、もっと色々な学校に足を運んでみたかったなぁとも感じています。
その他、とあるワークショップにも運営にも関わってきまして、そこでも多くの出会いに恵まれました。ワークショップを作り上げるのは、本当にエネルギーのいるものですが、作り上げる側の一人として関われていること、とても貴重な経験をさせていただけていると思います。この研究会には、いつもいつも感謝でいっぱいです。
そんなところで、私のタイでのフィールドワークは草の根の活動を通しながら、たくさんの方々に出会えました。とてもありがたい日々でした。
フィールドワークの資金
今回のフィールドワークは3ヶ月という期間でしたので、もちろんお金も結構かかりました。
研究計画書を練っている段階から、タイをフィールドにするという点で資金面の負担があることは覚悟の上でした。ですから、全額自費の可能性も視野に入れていました。
しかし、できることなら、「研究費」がほしい。
ということで、私は自分が応募できそうな財団の募集要項を博士1年目から探していました。
ですが、文系の研究で研究費を取得するのはなかなか難しいわけです。
さらに、文系でも研究テーマであったり、財団の求めることだったり、フィールドワーク実施の期間であったり、申し込みの期限など、そういう諸々の条件と自分の研究テーマを合わせていくと、なかなか、応募できるものが見つかりませんでした。
それでも、応募できそうなものをリストアップして指導教官にも相談した上で、とりあえず一つに応募してみたのですが、受かりませんでした。
当時の私は、研究費の獲得以外に抱えていたタスクが多かったので、研究費は半ば諦めて自費でフィールドワークを実施しようと思っていました。
そんな時に学内に流れてきた学生向けの研究費の案内が目にとまりました。
海外でデータ収集およびインターンシップを行おうと思っている学生でUCLの教育学研究所に所属する学生が対象の案内でした。支援可能期間もピッタリ私のフィールドワーク期間と当てはまる条件でしたので、これは応募するしかない!と思ったのです。すぐさま書類を準備し、指導教官にも推薦状を作成していただきました。(ちなみに、こちらの資金はイギリス政府が指定する大学に出している補助金です。選考はそれぞれの大学に任されています。)
それと同時に、UCLの学内に海外での活動に対する資金支援もあることを知り、それにも応募してみました。
結果として、無事二つの資金を獲得することができ、私は50万円近くの資金を獲得することができました。
もちろん、タイでのフィールドワーク3ヶ月を行うには、50万円では足が出てしまいましたが、支援はあるに越した事はありません。今回はUCLには感謝しかありません。
フィールドワークを終えて〜感想〜
今回のタイ滞在の目的は、もちろんデータコレクションだったわけですが、このフィールドワークはたくさんの方々にお声がけいただき、新しい出会いに恵まれました。
人生で一番多くの方々に短期間で出会った日々だったようにも感じます。
実は私はイギリスに来る前、4年ほどタイに住んでいたわけなのですが、当時の知り合いはほとんど日本に帰国してしまって、ほぼ関係性がゼロの中からタイでの研究をしなければいけませんでした。
このような状況は、博士課程に進学した時点から承知の上で、「どうやって私はこの状況で研究を進めようと思っているんだろう・・・」と不安にも思っていました。
たとえ以前タイに住んでいたとしても、現在イギリスに住んでいる私が突然タイに現れて、そのコミュニティの中に混ざっていけるものなのか?と思っていたわけです。
ですが・・・
実際にフィールドワークを始めてみると、私の研究テーマに共感して、手伝ってくださる方々がいらっしゃって、応援の言葉もたくさんいただきました。
イギリスにいて、この研究テーマに取り組んでいると、「独りよがりではないか?」と自問自答することが多く、フィールドワークに行っても、私の研究に協力しようとしてくれる方は少ないのではないかと思うことばかりでした。ネガティブな想像ばかりが膨らんでいくことも多々ありました。
ですが、現地を訪れたら、そうではなかったんです。
これまで頑張って、この思いを貫いき、フィールドワーク実施まで至ることができて本当によかったと心の底から思えました。
そして、「またタイに来てね」とたくさん声をかけていただきました。
私の研究は、私がこれまでずっと一人黙々と取り組んできたようなものでした。でも、この研究を知った方々の中から「この研究は面白い!」「研究に参加したい」「必要な研究だと思う!」という声をいただくたびに、この研究は私一人だけのものではなく、社会のためになるような形として残したいという思いがどんどん強くなっていきました。
この3ヶ月で、私の研究の結果を知りたい、論文を読みたいという声もたくさん寄せられ、本当にありがたいなと感じています。
このように思っていただける研究テーマを設定し、現在UCLでこの調査を取り組めていること、そして、たくさんの方々に応援の言葉をいただけたこと、私はフィールドワークを通して、博論に必要なデータをいただけただけでなく、博士課程の後半戦に向かうためのエネルギーも一緒にいただき、ロンドンに戻ることができたように感じます。
本当に素晴らしい経験をさせていただきました。
人生で、このような経験ができたこと、たくさんの出会いに恵まれたこと・・・、これまで私は、いろんな覚悟を持って、イギリスの博士課程を目指し必死に頑張ってきてわけですが、改めて頑張ってよかったと思えた3ヶ月となりました。
これまでのUCLでの経験とは違った学びのあった3ヶ月を、次はUCLのキャンパスに戻り、しっかりと形としてまとめていこうと思います。
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