はじめに
イギリスの大学院への入学を検討されている方は、
大学院で学びたいことを考えるとともに、
修士論文のテーマも悩むところではないでしょうか?
本ブログの運営者のSayaも、現在修士論文の執筆真っ盛りで、
毎日朝から晩までせっせと修論を取り組んでいます。
もちろん、私自身、UCLに来る前は、
- どんな研究テーマがいいかな・・・
- どんな先生に学べるのかな・・・
- 修士論文を1年間で書き終えることなんてできるのかな・・・
と不安がいっぱいでした。
なので、同じように悩みを持っている人は、
この記事に目を通せば、
1年間の修士論文のスケジュールが大まかに掴めると思いますよ。
イギリスと日本の修士課程の違い
私の場合、UCLの修士号は、セカンドマスターになりますので、
日本の修士号を取得しております。
なので、まずは、私の経験を生かして、
イギリスと日本の修士課程の違いについてご紹介します。
期間が異なる
日本の修士課程は2年間が一般的ですが、イギリスの修士課程は1年 です。
ちなみに、アメリカは2年間です。
つまり、イギリスの修士課程はとても短いです。
授業数が異なる
UCLの教育学研究所の場合、1年間で履修する授業は4つだけです。
一方で、日本はその倍以上の科目数があります。
4つの授業しか取らなくていいから、時間がたくさんあるのでは?。
と思われてしまうかもしれませんが・・・
確かに、大学に行かなくていい日が多いです。
でも、課題が多いため日本の大学より何十倍も忙しいです。
担当教官と学生の距離の違い
日本では、修士課程に入学する場合、
- この先生の元で学びたい!
- この研究室で学びたい!
という強い意志を持っていくと思います。
なので、入学段階で大体、指導教官となる先生が分かっていると思います。
一方、イギリスの大学院は、入ってから全てがスタートします。
なので、コースワーク型の修士課程(Taught Courseと呼ばれています)であれば、
先生に連絡しなくても合格します。
授業がスタートしてから、担当教官が決まっていきます。
担当教官も、一度に7人くらいの学生を受け持つことも多く、非常に忙しめです。
その点、日本の大学院はとても先生と学生の距離が近く、
頻繁に飲み会をしては、交流を深めていました(笑)
修士論文について
修士論文の内容の決まりは、
大学やコースによって大きく異なります。
今回は、私のUCL MA Sociology of Educationを例にしてご紹介いたします。
私のコースの修士論文では、
20,000wordsを書くことが求められています。
(引用文献を含めて約A4用紙80〜100枚です)
ただし、授業を4つではなく5つ履修した場合、
修士論文ではなく15,000wordsのレポートを選択することができます。
それは、個人の自由です。
修士論文であれば、実証研究と呼ばれる、
アンケートやらインタビューやら、調査をすることが求められますが、
レポートであれば、文献研究のような内容も認められます。
テーマは基本的に自由ですが、
Sociology of Educationであるので、
その範疇での研究テーマの選択が求められます。
(ま・・・当然ですが)
大まかなスケジュール
修士論文のスケジュールは以下の通りです。
- 9月の末:大学院入学 / オリエンテーション
- 10月初旬:本格的に授業スタート
- 11月初旬:研究したい内容の要点を150~300words程度でまとめたものを提出。Research Questionも書く
- 11月下旬:指導教官の発表
- 12月上旬〜1月上旬:指導教官に初めての連絡
- 1月中旬:Research Proposal 3000words を提出(Term1の課題がResearch Proposalでした)
- 1月中旬:初めて指導教官と顔合わせ
- 2月上旬:2回目の指導教官との話し合い
- 2月下旬:3回目の指導教官との話し合い(この段階で、修士論文のアウトラインを提出)
- 3月上旬:Ethic formの話し合い (研究調査をスタートする前に研究倫理に関する提出用紙があります。)
- 3月下旬:4回目の指導教官との話し合い(すでに修士論文は書き始めていますが、まだ調査はスタートしていません)
- 4月上旬:Ethic Form の承諾を得たので、研究協力者を募ると共に、インタビューやアンケート用紙の準備
- 4月中旬:インタビュー開始
- 4月下旬:5回目の指導教官との話し合い(書き進めている修士論文のフィードバックについてと、インタビューの進捗状況について話す)
- 5月中旬:6名の研究協力者へのインタビュー終了
- 5月下旬:5回目の指導教官との話し合い(修士論文のフィードバックをもらう)
- 6月:1ヶ月を通して、文字起こし、分析
- 6月下旬:6回目の指導教官との話し合い(修士論文のフィードバックをもらう・分析結果についての話し合い)
- 7月:修士論文の書き上げ
- 8月中旬:先生とのラストの話し合い
- 9月第1週目:修士論文の最終提出
終わりに:イギリスの修士論文のスケジュールはキツイ
修士論文の1年間の流れをご覧になりどう感じられたでしょうか?
きっと
キツイ。
と感じられたことではないでしょうか。
はい。そう。かなり、キツイです(涙)
しかも、このスケジュールの背後には、
もちろんコースワークとして授業を受けているため、
それぞれの授業課題にも取り組んでいるわけです。
本当に遊んでいる時間はありませんでした。
私が日本で大学院生をしている頃は、
インタビューをするにしても、アンケート用紙を作るにしても、
結構な時間をかけて、たくさん吟味していました。
また、先行研究を読むにも、2年間もあるので、
たくさん読んで、考えることができました。
分析についても同様のことが言えます。
コースや、指導教官によっても、かなりの差はあるのですが、
私の場合は、こんな感じで進んでいますよ〜
というご紹介でした。
最後に、余談ですが・・・
私はセカンドマスターなので、1年間で駆け抜けるイギリス方式でも良かったなと思いますが
初めての修士号であれば、アメリカなどの2年間の修士課程の方がいいんじゃないかなと
個人的には思います。
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