はじめに
イギリスの大学院への入学を検討されている方は、
大学院で学びたいことを考えるとともに、
修士論文のテーマも悩むところではないでしょうか?
本ブログの運営者のSayaも、現在修士論文の執筆真っ盛りで、
毎日朝から晩までせっせと修論を取り組んでいます。
もちろん、私自身、UCLに来る前は、
- どんな研究テーマがいいかな・・・
- どんな先生に学べるのかな・・・
- 修士論文を1年間で書き終えることなんてできるのかな・・・
と不安がいっぱいでした。
なので、同じように悩みを持っている人は、
この記事に目を通せば、
1年間の修士論文のスケジュールが大まかに掴めると思いますよ。
イギリスと日本の修士課程の違い
![](https://saya-culture.com/wp-content/uploads/2020/06/20190922054320-1024x683.jpg)
私の場合、UCLの修士号は、セカンドマスターになりますので、
日本の修士号を取得しております。
なので、まずは、私の経験を生かして、
イギリスと日本の修士課程の違いについてご紹介します。
期間が異なる
日本の修士課程は2年間が一般的ですが、イギリスの修士課程は1年 です。
ちなみに、アメリカは2年間です。
つまり、イギリスの修士課程はとても短いです。
授業数が異なる
UCLの教育学研究所の場合、1年間で履修する授業は4つだけです。
一方で、日本はその倍以上の科目数があります。
![](http://saya-culture.com/wp-content/themes/cocoon/images/doya-woman.png)
4つの授業しか取らなくていいから、時間がたくさんあるのでは?。
と思われてしまうかもしれませんが・・・
確かに、大学に行かなくていい日が多いです。
でも、課題が多いため日本の大学より何十倍も忙しいです。
担当教官と学生の距離の違い
日本では、修士課程に入学する場合、
- この先生の元で学びたい!
- この研究室で学びたい!
という強い意志を持っていくと思います。
なので、入学段階で大体、指導教官となる先生が分かっていると思います。
一方、イギリスの大学院は、入ってから全てがスタートします。
なので、コースワーク型の修士課程(Taught Courseと呼ばれています)であれば、
先生に連絡しなくても合格します。
授業がスタートしてから、担当教官が決まっていきます。
担当教官も、一度に7人くらいの学生を受け持つことも多く、非常に忙しめです。
その点、日本の大学院はとても先生と学生の距離が近く、
頻繁に飲み会をしては、交流を深めていました(笑)
修士論文について
![woman wearing brown shirt carrying black leather bag on front of library books](https://saya-culture.com/wp-content/uploads/pexels-photo-1106468-1024x684.jpeg)
修士論文の内容の決まりは、
大学やコースによって大きく異なります。
今回は、私のUCL MA Sociology of Educationを例にしてご紹介いたします。
私のコースの修士論文では、
20,000wordsを書くことが求められています。
(引用文献を含めて約A4用紙80〜100枚です)
ただし、授業を4つではなく5つ履修した場合、
修士論文ではなく15,000wordsのレポートを選択することができます。
それは、個人の自由です。
修士論文であれば、実証研究と呼ばれる、
アンケートやらインタビューやら、調査をすることが求められますが、
レポートであれば、文献研究のような内容も認められます。
テーマは基本的に自由ですが、
Sociology of Educationであるので、
その範疇での研究テーマの選択が求められます。
(ま・・・当然ですが)
大まかなスケジュール
修士論文のスケジュールは以下の通りです。
- 9月の末:大学院入学 / オリエンテーション
- 10月初旬:本格的に授業スタート
- 11月初旬:研究したい内容の要点を150~300words程度でまとめたものを提出。Research Questionも書く
- 11月下旬:指導教官の発表
- 12月上旬〜1月上旬:指導教官に初めての連絡
- 1月中旬:Research Proposal 3000words を提出(Term1の課題がResearch Proposalでした)
- 1月中旬:初めて指導教官と顔合わせ
- 2月上旬:2回目の指導教官との話し合い
- 2月下旬:3回目の指導教官との話し合い(この段階で、修士論文のアウトラインを提出)
- 3月上旬:Ethic formの話し合い (研究調査をスタートする前に研究倫理に関する提出用紙があります。)
- 3月下旬:4回目の指導教官との話し合い(すでに修士論文は書き始めていますが、まだ調査はスタートしていません)
- 4月上旬:Ethic Form の承諾を得たので、研究協力者を募ると共に、インタビューやアンケート用紙の準備
- 4月中旬:インタビュー開始
- 4月下旬:5回目の指導教官との話し合い(書き進めている修士論文のフィードバックについてと、インタビューの進捗状況について話す)
- 5月中旬:6名の研究協力者へのインタビュー終了
- 5月下旬:5回目の指導教官との話し合い(修士論文のフィードバックをもらう)
- 6月:1ヶ月を通して、文字起こし、分析
- 6月下旬:6回目の指導教官との話し合い(修士論文のフィードバックをもらう・分析結果についての話し合い)
- 7月:修士論文の書き上げ
- 8月中旬:先生とのラストの話し合い
- 9月第1週目:修士論文の最終提出
終わりに:イギリスの修士論文のスケジュールはキツイ
![flowers and breakfast food on textbook](https://saya-culture.com/wp-content/uploads/pexels-photo-3922576-1-1024x682.jpeg)
修士論文の1年間の流れをご覧になりどう感じられたでしょうか?
きっと
![](http://saya-culture.com/wp-content/themes/cocoon/images/ojisan.png)
キツイ。
と感じられたことではないでしょうか。
![saya](https://saya-culture.com/wp-content/uploads/1578068683978.jpg)
はい。そう。かなり、キツイです(涙)
しかも、このスケジュールの背後には、
もちろんコースワークとして授業を受けているため、
それぞれの授業課題にも取り組んでいるわけです。
本当に遊んでいる時間はありませんでした。
私が日本で大学院生をしている頃は、
インタビューをするにしても、アンケート用紙を作るにしても、
結構な時間をかけて、たくさん吟味していました。
また、先行研究を読むにも、2年間もあるので、
たくさん読んで、考えることができました。
分析についても同様のことが言えます。
コースや、指導教官によっても、かなりの差はあるのですが、
私の場合は、こんな感じで進んでいますよ〜
というご紹介でした。
最後に、余談ですが・・・
私はセカンドマスターなので、1年間で駆け抜けるイギリス方式でも良かったなと思いますが
初めての修士号であれば、アメリカなどの2年間の修士課程の方がいいんじゃないかなと
個人的には思います。
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