はじめに:エッセイの書き方について
こんにちはSayaです。
今回は読者の方々からのリクエストをいただきまして
私が実践していたエッセイの取り組み方について複数回にわけながら
ご紹介していきたいと思っております。
リクエストをくださった方々、ありがとうございます。
まず初めに、エッセイについて思うことなのですが
エッセイとは一筋縄ではいかず
- 文系・理系の考え方の違い
- 分野の違い
- 人それぞれの思考プロセスの違い
など、色々な要因によってエッセイの形に違いが出るので
絶対にこれがよい!という方法論はないと思っています。
その前提条件がある中で
- どんな書き方がより良いのか?
- 与えられた課題について、どのように論を転じていけばよいのか?
- そもそもエッセイとはなんぞや?
なーんてことを悩むことこそが、大学院の勉強であり
それこそが苦しくて・・・
ある意味面白い・・・(苦笑)
わけなんですね。
なので、今回から私が執筆する「エッセイの取り組み方」の記事は
あくまでも、私が悩みつつ、構築していったやり方であり
今も発展途上の方法論であることだけはご理解ください。
これからも、エッセイの書き方については私自身、自己研鑽に努めていきたいと思っております。
イギリス大学院の課題
イギリスの大学院は1年間と非常に短いコースになっています。
日本は一般的に2年間で、2年目に集中して修士論文の執筆をすすめるかと思いますが
イギリスは、カリキュラムがとても凝縮しているので
授業の課題をこなしながら修士論文の執筆をすすめることになります。
私が通っていたロンドン大学の課題は
1つの授業につき最終課題が5000wordsのエッセイでした。
5000wordsのエッセイとは、おおよそ本の1章分のイメージです。
それをおおよそ1〜2ヶ月でとりあえず書き上げるといったハードなスケジュールでした。
参考文献の重要性
エッセイを書くにあたって、私はいくつか重視していたことがありますが
その中でも、私が重きを置いていたのが、参考文献です。
5000 wordsのエッセイを書くためには、膨大なインプットが大切です。
しかし、インプットをするだけでは、不十分で
インプットしたことと自分の論じたい事柄を合わせて
情報を選択し、情報の整合性を判断しつつ、新しい論を展開する準備をしなければいけません。
私は、このインプットのプロセスを「仕込み」と名付けていました(笑)
- 仕込みが丁寧であればあるほど、エッセイの質も高まります。
- 仕込みを疎かにすると、疎かにしたなりの点数がつくでしょう。
- でも、仕込みすぎはよくありません。自分を見失います(苦笑)
このように、私は文章を読むこと(仕込み)に時間をかけていました。そしたら、どんどん深堀りしすぎて、アリストテレスの形而上学まで至ったときがあります。さすがに、これは・・・もう、エッセイには書ききれません。その時ふと我に返って、私、何をしていたんだろう?と悔やみました(苦笑)そんな日も思い出・・・。
ここから先では、実際に私が実践していた仕込みの3ステップをお伝えします。
- 仕込みに必要な文献の探し方(要するに、参考文献の探し方)
- 仕込んだ文献の管理の方法(要するに、参考文献の管理方法)
- 仕込みながらメモを取る方法(要するに、引用リストの作成方法)
以上の3点について解説していきます!
参考文献の探し方
私の大学院の授業4つのうち2つは
テーマ自由よ!ただし、授業で勉強した内容に被せてね!
というものでした。
テーマ自由の課題とは、面白いもので
学びたいことを深く勉強できるので楽しい!と感じます。
一方で
同じトピックをやっている人が誰もいないので、誰も答えを教えてくれない
というよりも、むしろ・・・
答えは自分しか知らない
という状況になるんです。
それは、それは、孤独との戦いです。
なので、私の考えや悩みを答えてくれるのは
文献しかありません。
その私のお目当ての文献を効率的に見つけだすことも
その人の力量なんです(らしいです)
文献探しは、私はあまり得意ではないので、無駄な時間ばっかり使ってしまっていたのですが・・・基本的には、次の方法で、文献を探していました!
Google Scholar
まずは、みなさんが大好きGoogleさんです。
とりあえず、文献検索をするのであれば、google scholarに頼りましょう。
文献管理ソフトのpaperpileと相性抜群なのもいいところ!
また、日本語の文献も充実しているので使い勝手がいいです。
ResearchGate
つづいて便利なのはResearchGateです。
Google Scholarで取得できなかった文献が取得できたりします。
大学名の登録が必要です。
また、メールアドレスと興味のある分野を登録すると
新着文献のお知らせメールをくれます。
Google Books
次は、論文ではなく本を探す時に便利なサイトです。
またまたgoogleさんなのですが・・・
読みたい書籍が見つからないとき、とりあえずgoogle booksを見てみましょう。
英語の本であれば、だいたいは読むことができます。
ダウンロードはできない場合が多いのですが
内容を知るには十分なので、かなり活用できます。
大学の図書館のサイト
色々とご紹介したのですが
結局は、大学の図書館のサイトが一番使いやすいと思います。
これまでお伝えしたものも、とても便利なのでよく使っていましたが
エッセイを取り組むとしたら、まずはご自身の大学の図書館のサイトで文献を調べることから始めることをおすすめします。
大学の図書館へ行って歩き回る
文献検索にネットの活用は必須なのですが・・・
検索エンジンに入れるキーワード選択によって
本当に欲しい文献が見つけられるかどうか変わってきます。
適切なキーワードを選択して検索をかけられるということは
まず、適切なキーワードを知る機会が必要ですよね。
ということで、私はよく図書館をうろついていました。
面白そうな本を手にとって、ペラペラとめくる。
そうすると、本当に魅力的な内容と出会うことができたり
新しいキーワードを知れたりするんです!
なので、ぜひ図書館をウロウロして色々な本を手にとってみてください。
参考文献リストの確認
いい文献を見つけたら、必ず参考文献の一覧を見ましょう。
そして、気になる参考文献を検索エンジンで、探してみるのです。
関連文献には、とても良い参考文献があります。
このように関連文献で固めていくと
なんて素敵なことでしょう♪
とても効率的に文献収集をすることができます。
論文の筆者の検索
また、いい文献を見つけたら、筆者を確認しましょう。
そして、その筆者の文献を探してみましょう。
そうすると
なんて素敵な出会いでしょう♪
その筆者に恋する日が訪れます(笑)
参考文献の管理方法
仕込み用にたくさんダウンロードした文献ですが
それをどのように整理整頓するか?
という点も、より良いエッセイを書くためには大切なポイントです。
思考の整理整頓のために、文献管理ソフトは上手に使いこなしたいものです。
今回は4つの文献管理ソフトをご紹介いたします。
ご自身に合うものを使ってみてください。
Mendeley
- Wordにプラグインして使える
- パソコンでもタブレットからでも文献を読んだり、ハイライトすることができる
- Macとの相性がよくない
- 日本語の文献に弱い
- 無料で使える
私はまずMendeleyから使い始めました。とても使い勝手が良かったのですが、Macとの相性が悪くて、Macをアップデートした時かな?なぜか、wordのプラグインが機能しなくなり、Mendeleyとはさようならしました。とりあえず、普通に使用しているときも、referenceの挿入が遅くて・・・ちょっと・・・ね。
Zotero
- wordにプラグインして使える
- Mac/Windowsともに相性がいい
- 文献のハイライト 可能
- Dropboxと同期ができるので、Dropboxとの併用がおすすめ
- 無料
Zoteroはなかなかおすすめです!Dropboxと同期できる点も便利です。ただし、気をつけたいことは、Zoteroは無料ですが、無料の要領は2GBまでなんですよね〜。よくできた仕組みじゃ!
Paperpile
- googleとの相性抜群
- google scholarで探した文献をpaperpileで簡単に管理できる
- Mac/Windowsともに相性がいい
- どの媒体からでも文献を読んだり、ハイライトができる
- google docsでも使うことができる
- 有料(月:2.99ドル/300~400円)
Paperpileの良いところは、google系と同期ができるところです!とくに、google scholarでダウンロードしたものが、直接paperpileに入るのはいいですよね。ただし、安価と言えど有料なので、ちょっと考えものですよね。
Endnote
- wordにプラグインできる
- Mac/Windowsともに相性がいい
- referenceのスタイルがたくさんある
- 文献のハイライト 可能
- バックアップのデータをクラウド上で保存しているとデータが壊れるので、要注意
- Macなら、デスクトップをicloudと同期していると、Endnoteのデータが飛ぶ可能性がある
- イギリスの大学の場合、学生期間は無料(卒業後1年間も使用可)
- 基本的には有料で高い
- 多くの研究者が利用している(らしい)
結局私がUCL時代一番お世話になっていたのがEndnoteでした。なんでって?くだらない理由ですよ・・・。せっかく学費払っているんだから、使えるものはなんでも使いたいと思ったからです(笑)Endnoteは有料で結構高いだけありますので、使い勝手は良かったです。ただしね・・・一度データ飛んだんですよね。その時は、徹夜でデータ回復を試みました。本当に泣きながら、やばいやばいと焦ったのを覚えています。でもね〜、これはEndnoteだからというわけでもなく、私の友人はZoteroで飛んだ!という経験のある人もいるし、私はMendeleyでやらかしたこともあるし・・・referenceソフトの闇です。
クラウドで管理
文献管理ソフトの怖いところは・・・
データが飛んでしまう可能性があるところ・・・
無いと信じたいところですが
それがあるんです。
そうなってしまった暁には
冷や汗だけでなく、涙も出ます。
でも、涙を流したって飛んでしまったデータは戻ってきませんから
しっかりと、バックアップを取っておきましょう。
それとともに、ダウンロードしたデータもしっかりと管理しましょう。
その管理先は次のような方法があります。
Google Drive
- google アカウントを作る必要あり
- 15GBまで無料(100GBだと月250円)
- google docsやgoogle formなど、大学院留学で便利なgoogleの機能と同期できるので持っていると便利
One Drive
- 5GBまで無料
- Microsoft のPCと同期ができる
- Office365の1年契約をすると100GBのストレージが無料でついてくる
- 100GBの契約は月224円(結構安い!)
icloud
- 5GBまで無料
- Mac製品と同期ができる
- 50GBの契約は月130円(現在Saya使用中)
Evernote
- Evernoteは基本有料(無料は60MB/月まで)
- 1GB/月1年間2000円
- 10GB/月で1年間4000円
- タグ付けが、文献の整理整頓に役立つ
Dropbox
- 2GBまで無料
- 2000GBまで1200円/月(1人で使う場合)
- 2000GBまで2000円/月(6人でクラウドシェア)
- Zoteroと同期できる
外付けHDやUSBで管理
- USBや外付けHDの購入費がかかる
- 持ち運びが楽
- むやみやたらに外部のPCで使っているとウィルスを持ってきてしまう可能性あり
- なくしたら一巻の終わり
- 色々な媒体でバックアップを取っておくことはリスク分散としていい方法である
自分のPCで管理
- 一番簡単な方法
- 色々な物をダウンロードするとごちゃごちゃになる(整理整頓が肝心)
- PCが壊れたら文献も飛ぶ(涙)
Sayaオリジナルのエッセイに必要な引用リストの作成方法
ここまでの説明で
- 仕込みに必要な文献の探し方(要するに、参考文献の探し方)
- 仕込んだ文献の管理の方法(要するに、参考文献の管理方法)
- 仕込みながらメモを取る方法(要するに、引用リストの作成方法)
の3つのうち、2つ目までのプロセスは終了しました。
残すは・・・
仕込みながらメモを取る方法です!
これは、本当に私のオリジナルですので、まだ開発途上の試作段階なのですが
(といっても、マスター修了してしまいましたが・・・)
とりあえず、この方法でエッセイを書き上げることはできました!
これを土台にご自身で工夫されてみてください。
文献を仕込みながらメモを取る方法
興味ある文献をダウンロードする
先に示したような文献検索サイトで
興味のある文献をどんどんダウンロードしていきます。
AbstractとConclusionで文献の内容を把握する
ダウンロードした文献のAbstractとConclusionを読んで
必要な文献であるかどうかの判断をしていきます
必要ないと思ったものは、読むのをやめて
次の文献を探していきます。
良さそうな文献に目を通す
そして、目星をつけた文献をじっくりと読んでいきます。
読む時は次の二つのことをしていきます。
- 文章にハイライト をする
- ハイライト した文章を私のオリジナルのwordの表にコピーする
オリジナルのWordの表は次の項目で詳しく説明しています。
wordの表の作成方法
私のエッセイの根幹はこのWordの表です。
これの作成には相当な時間がかかりました。
そして、このWordの表は何回もの改善を重ね
ようやく今の形式となりました。
これに落ち着くまで、結構苦労したのを覚えていますが
一度、これに慣れると、エッセイの取り組み方も楽になったような気がします。
私の表には次のような事柄を含めていました。
- どんなテーマ(トピック)に沿った引用なのか?
- 引用する文章のコピペ
- 和訳と自分のコメント(私の意見や他の文献との違い)
- 文献情報(筆者・発行年・文献のタイトル・ジャーナル名など)
表の見本は次のようなものです。
この表は私の修士論文の執筆のために作成したものです
修士論文のうちメソドロジーのセクションを書こうとした時のものでした
一番左がトピック、その次に引用、私のコメント(面倒な時は英語でコメントを入れます)、そして、最後に文献の詳細を載せています。
これを一つのエッセイに対して、20ページぐらいでしょうか
引用リスト集めをしていました。
これが私の言う「仕込み」なんです。
ある程度、仕込んだら、引用リストに沿って文章を書いてみます。
その後、ネタに尽きたら、もう一度引用リストに戻り
追加の仕込み作業をしていく感じでした。
おわりに:エッセイは参考文献が鍵!
さて、今回はエッセイでとても重要な参考文献についてまとめてみました。
私はエッセイの中でも、参考文献のまとめ方が最も重要であると思っているので
エッセイの取り組み方の記事を書こうと思った時に
一番最初の記事は参考文献にしようと思っていました。
今後は、エッセイの構成や論理展開などについても触れていければと思います。
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