はじめに:英語論文を読もう!
こんにちはSayaです!
今回の記事では、少しアカデミックな内容として
英語論文の読み方についてお話します。
海外に留学している方々は、読みきれないほどのリーディングリストに追われ
ヘトヘトになっていると思いますし
日本の大学院生も、論文執筆の際には英語の文献にも目を通したいものですね。
でも、時間は有限です。
ゆっく〜り、一字一句理解しようとしながら読み進めていたら
英語論文を捌くことなんてできません。
なので、今回ご紹介する方法は
私がUCLで学んだ英語論文の読み方です。
参考にしてください。
英語論文の読み方とCriticalityの視点
私もまだまだ勉強をしている身なので
断定的な表現は避けたいところではありますが
英語の論文を読むときに大切なのはCriticalityの視点です。
おそらく、イギリスの大学院を問わず
海外の大学院では「Criticality」という言葉を耳にタコができるとくらい聞くと思います。
Criticalityとは・・・
日本語では批判的思考能力と訳され、その概念は、とても抽象度が高く、実際にこれがクリティカルであると、言語化することは難しいのですが・・・
私は「複数の視点から一つの事象を考える力」と理解しています。
なので、英語論文を読むときにはCritical Readingといって
論文をCriticalに読むことが求められます。
さて、Criticalityが大前提であることを頭の片隅で理解していただいたところで
つづいては、最も重要な論文の読み方についてです。
論文を読むときに一番おさえておきたいことは
ということを、考えて目を通すことです。
論文を探す前に、知りたいことの目星がついていると、論文も読みやすいですよ。
文系英語論文の3通りの読み方
英語の論文を読む前に
その英語論文を読む目的をはっきりさせず、英語の論文を読んでいくと
- 時間だけが消費され・・・
- 内容が分からず・・・
- 結局、なんだったんだろ?で終わります(経験者は語る)
なので、まずは「なぜ論文を読みたいのか?」という目的をはっきりさせた上で
次にご紹介する3つの方法で論文を読んでみて
自分の好みの方法探ってみるといいと思いますよ。
きっと、理解度がグッと増すだけでなくCritical Readingができるようになるはずです。
SQ3R法
まずはSQ3R法です(Pleasant,1970).
すこし手間がかかる方法ですが
じっくり読みたい文献や書籍を読む場合は適切な方法だと思います。
- Survey:論文の全体の流れを5分程度で確認する作業。図や、見出し、小見出し、Abstract / Introduction / Conclustionにさらっと目を通し、自分の目的に即した論文であるかを判断する作業。
- Question:この論文に対する質問事項を考える。
- Read:読み進めながら、自分自身が掲げていた質問への答えを見つけていく。読み進めながら、新しい質問事項も探していく。また、それぞれの段落のメインアイディアは何か?考えながら読む。
- Recite:読み終わったら、論文を見ずに論文の要約を書いてみる。
- Review:もう一度論文をさらっと見て、要約が適切であるか確認する。(Surveyと同じような作業を行う)
Pleasant, R. F. (1970) Effective study, New York: Harper & Row
IPSO法
つづいてIPSO法です。
深いCritical Readingをしたい時に、おすすめな方法です。
- Issue:論文をさらっと読み(読み方は、SQ3R法の一部を活用すると良い)論文の課題、議論点、質問事項は何か考える。
- Position:課題に対する筆者のポジションを考える。
- Support:筆者のポジションに対して、どのような根拠が用いられているかを読み取る。
- Outcome:論文の結論はなにか?を読み取る。
IPMC法
最後は、IPMC法です。(Dr. Alice Sheridan)
IPSO法に少し異なった方法を付け加えた案です。
- Issue:課題は何か?を見つける
- Purpose:この論文を執筆している目的は何かを見つける。また、自分はなぜこの論文を読んでいるのか?を考える。
- Method:どのようにして、研究を行ったのか?研究方法を見つける。
- Conclusion:結論は何か?を見つけたら、自分の言葉で要約を書く。
UCL Lecturer, Dr. Alice Sheridan提案
英語論文お助けツール
以上3つの方法をご紹介しましたが
それでも、第二言語で学術論文を理解するって、本当に大変です。
なので、私は英語論文を読むときには
次の3つのツールを活用しながら理解するようにしていました。
DeepL翻訳
DeepLって聞いたことはありますか?
無料で翻訳してくれるAIのソフトなのですが
とても精度がいい!
長文でも、コピーして貼り付けさえすれば、一瞬で翻訳をしてくれます。
大まかな概要をつかみたいのであれば、DeepLの翻訳で十分理解ができますよ。
私はリーディングリストが多くて手が回らない時だけDeepLに助けてもらっていました。
あと、修士論文のインタビューの翻訳も、主観を少なくするために
DeepLを使ってみました。
MacBookのPreview 機能
Mac Book にはPreviewという機能があるのですが
それが、とても便利!
- ハイライト をしたり
- メモをしたり
私は基本的にPreview機能を使って論文を読んでいました。
もちろん、MicrosoftのSurfaceや、Ipadがあれば、ペンシルがあるので
手書きの書き込みもできて、もっと便利になること間違いなしですね!
パソコンのメモツール
パソコンのメモツールもおすすめです。
特に、
- 要約を書いたり
- 引用するポイントのリストを作っておいたり
するときは、メモツールの活用がとても有効です。
ネット上では、色々なメモツールが紹介されていると思いますが。
私は古風に、ワードの表を使っていました(笑)
きっと、もっといい方法があると思いますが
アプリの使い方を覚えるのであれば、ワードが一番慣れていて
表のイメージがしやすかったので、そうしていました。
ですが、改善点もたくさんあるので、もう少しメモの取り方の研究は必要そうです。
おわりに:お気に入りは見つかりましたか?
論文の読み方って色々あります。
今回の3つは、私がUCLではじめに教わったCritical Readingの方法なのですが
実際、私が1年間論文を読み漁り
この3つを土台に、色々と改良しながら自分に合う読み方を見つけていきました。
といっても、まだまだ改良中です。
みなさんも、これをベースに工夫をこらしてみてください。
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