はじめに:発達障害について
こんにちはSayaです。
今回はとても貴重な記事となりました。
私のブログで初めて障害について真剣に向き合ってみたいと思います。
このような機会を頂けたことも、これまでブログを運営し、たくさんの読者の方々との出会いがあったからだと思っています。
ぜひ、今回の記事を読んでくださった方には、記事へのコメント欄、お問合せや、Twitter (@l0vu4evr)から、色々な声を聞かせていただきたいなと感じております。
さて、みなさんは発達障害という言葉を聞いたことがありますか?
昔と違って、今の社会では発達障害という言葉が浸透してきたような気がしますが
教育現場を離れると、私の生活の中で発達障害という言葉を聞く回数が減ったような気がします。
goo辞書によると、発達障害とは・・・
子供の発達途上において、生体の機能の一部が成熟しないでとどまっている状態。広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・知的障害・発達性言語障害・発達性協調運動障害などがある。
実は、私は発達障害について関心が高く
よく本を読んだり調べたりします。
そんな時に、Twitterで出会ったShinichiさん(@MapmanShinichi)は
お話を伺ってみたい方の一人でした。
Shinichiさんは、Autistic IELTS BloggerとしてIELTSのブログ( ASD IELTS )を運営されている方です。
Shinichiさんがご自身のことを指しているAutisticとは、自閉症スペクトラム症という発達障害の総称を意味します。
つまり、Shinichiさん自身が発達障害と向き合いながら、ブログで積極的に情報発信をしているんです!
この度は、ShinichiさんからTwitter上でDMをいただいたことをきっかけに
私の方からインタビューへのご協力を依頼させていただきました。
私のブログでは、英語の学習や大学院留学を中心に取り上げておりますので
今回のインタビューでは発達障害✖️英語学習✖️ IELTSをテーマにお話を伺ってきました。
とりわけ、Shinichiさんが、ご自身の特徴とどのように向き合い、IELTSや英語学習に取り組まれ、英語の勉強をどのように捉えていらっしゃるのか?なんてことを深くお伺いしてきました。
同じIELTS学習者として、とてもいい刺激をたくさんいただきました。
それでは、インタビューの内容をご覧ください!
Shinichiさんにインタビュー!
こんにちは、異文化の魔法を運営しておりますSayaです。この度は、お忙しいなかインタビューにご協力くださり、ありがとうございます。Shinichiさんのお話がとても楽しみです。この度は、よろしくお願いいたします。
こちらこそ、インタビューに参加させていただき、とても嬉しいです。本日は、よろしくお願いいたします。
まずは、Shinichiさんが10月のIELTSを受験される際に、発達障害に対する合理的配慮を受けて受験されるとのDMをくださったのをきっかけに、IELTS試験の合理的配慮について知りました。ぜひ、そのご経験談をお伺いしたいなと思いインタビューを依頼させていただきました。また、普段から英語ブログも運営されていることも知り、どのように英語の勉強をされているのかについてもぜひ教えていただければと思っております。少し、センシティブなこともあるかもしれませんが、お話できる範囲で構いませんので、ご経験を共有していただけましたら、光栄です。
もちろんです!!私は、発達障害の中でも自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)の一つのアスペルガー症候群と医師から診断を受け、薬を処方されています。また、てんかんの症状もあるため、てんかんの薬も飲んでいます。
- 自閉症スペクトラム(ASD)とは?
自閉スペクトラム症の診断については、下記などの条件が満たされたときに診断されます。
- 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)
- 発達早期から1,2の症状が存在していること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと
引用:e-ヘルスネット
- てんかんとは?
大脳の神経細胞が過剰に活動することによって、発作的な痙攣(けいれん)・意識障害などを反復する状態。遺伝的素因または外傷・腫瘍(しゅよう) などさまざまな原因によって起こる慢性の脳疾患。突然意識を失って倒れる大発作のほか、瞬間的に意識を失う小発作、急に無意味な動作を始める精神運動発作、頭痛・吐き気などの起こる自律神経発作がみられる
引用:goo辞書
そうなんですね。実は、わたしの叔父もてんかんの発作があると聞いたことがあります。私の叔父は、てんかんにより、運転中意識を失ったこともあるようで、てんかんは、とても身近に感じます。てんかんの発作をもっている方は、人口の0.5~1.0%であるそうですね。(引用:てんかんUCB Japan)
そうですね。てんかんにも色々な症状があります。私の場合、てんかんの発作は緊張感の高まりとして現れます。アスペルガーは興奮の症状があります。しかし、アスペルガーの作用は言い換えると前向きな気持ちや活動に繋がっていて、てんかんの発作は言い換えると不安による行動抑制や、落ち着いて物事を考えられる気持ちに繋がっています。 発達障害でもバランスの取り方が分かって来ると勉強に弾みがつく事があります。
なるほど!自分の気持ちのバランスの取り方は、英語の学習の上では誰にでも当てはまりそうですね。
少し例えるとしたら、アスペルガーを車のアクセル、てんかんを車のブレーキとすると分かりやすく説明出来るかもしれません。 1人の勉強ですと、どちらかに偏る事があるので、アスペルガーで気分が高ぶる時は、落ち着くための読み書きの先生にフィードバックをもらい、逆にてんかんで不安が強い時は(無理のない程度に)会話をネイティブと楽しむ事が多かったです。
そうなんですね。勉強の方法は1つではありませんよね。他の人に合う勉強方法でも、自分自身に確実に合うとは言い切れないので、自分の特徴とスタイルを模索しながら勉強方法を確立していく必要がありますよね。それって、ある意味では、英語の学習も自己分析をしているような感じですよね!
そうですね。私の場合、薬の副作用で眠くなる事が課題でしたので、早朝に勉強時間を充てていました。また、ルーチンワークが強みなので、複数の問題集を買わずに、公式問題集で解く事を平日毎日の習慣にしておりました。習熟度がゆっくりなので、3年かけて勉強したことも大きいです。
なるほど!自分の強み知ることが英語学習で大切なことですね!ちなみに、Shinichiさんは、英語のブログも運営されていらっしゃいますよね?それも、英語の勉強のモチベーション維持につながっていそうですね。
参考:Shinichiさんのブログ ASD IELTS
はい、ブログは2006年からスタートして13年になります。「発達障害の当事者ブログ」を書きたいと思ってスタートし、2009年に英語の勉強を始めてから「英語の勉強にブログを活かす」と決めて書いています。今は月1本、WordPressでテーマを決めて書いています。ブログを書く事で、自分の言いたい事を「言語化する」スキルや「まとめる」スキルが学べる事が大きいです。IELTSのフォーマットにする事で、あらゆるエッセイの書き方を練習できます。
ブログと英語の勉強を合わせることは、Shinichiさんの特徴にはとってもぴったりな組み合わせだったんですね!私も、ブログを始めるまで、私自身がこんなに「書くという作業」が好きであるとは思いもしませんでした。やってみないと分からないことってありますよね。
さて、少し話題は変わりますが、Shinichiさんは、今回IELTSを受験されたんですよね?AcademicとGeneral Trainingのどちらを受験されたのでしょうか?
Academicです。General TrainingはIELTSを初めて受験した、2015年に受けていますが、2回目以降はずっとAcademicで受験しています。最初に受験した2015年はGeneralで、Overall 4.0からのスタートで、Academicに切り替えた2016年と2017年の毎年10月に受験してOverall 4.5でした。ListeningとReadingは4.5⇄5.0の間で、上がり下がりがありましたが、ライティングは4.0→4.5と徐々に伸びていった事を実感しています。今回は目標のOverall 5.0を達成できました。
良かったですね!!おめでとうございます!!
ありがとうございます。着実に英語力が伸びていることを感じます。
色々な英語の試験がある中で、どうしてIELTSを受験されているんですか?
英語の4技能をバランスよく身に付けたいと思った事が理由です。TOEICの場合、問題数が多く集中力が続かなかったのですが、IELTSの場合、問題数がTOEICより少なく、英検のように合否や習熟度別ではなく、みんな同じテストを受ける事で「伸び」を実感できると感じたからです。
たしかにそうですね。IELTSはとてもよくできた試験だと思います。テストのストラテジーや語彙力だけでは高得点の達成できない、正確な試験ですよね。ちなみに、今回はIELTS受験の際に、合理的な配慮を申請されて受験されたと思いますが、どのような配慮をしていただいたのでしょうか?
座席の位置を指定して頂きました。窓の光や外の音から離れ、比較的リスニング音源の近くに指定して頂いた結果、集中して試験に取り組めました。ただ、普段はイヤホンでリスニングの練習していたこともあり、たまにテープを流して練習しないと聞き取りやすい音域が変わって来る事があり、今回リスニングだけは5.0⇨4.5となりました。
そうなんですね。合理的な配慮の内容については初めての知りました!確かに、障害をもっている方々には、とても大切な情報ですよね。リスニングについては、聞こえ方の差も、点数に影響しそうですね。
とても貴重なお話ありがとうございました。最後になりますが、英語を学習されている方にメッセージをいただけますでしょうか?
英語は、やりたい夢を実現するために、コミニュケーションを取ったり文章を書いたりする「道具」です。これが英検2級程度までいくと、「学ぶ」事より「使う」事が楽しくなります。IELTSはとてもバランスの取れた試験で、トピックも面白いです。受験料は高いと思っても、公式問題集を買って解くだけでも、英検やTOEICにも十分対応できるスキルがつくと思います。
確かに、英検2級くらいまでいくと、英語が楽しくなってきますよね!私もそこが、一つのボーダーラインな気がします。今回Shinichiさんのお話を伺い、Shinichiさんが心から、英語の学習を楽しみ、ご自身の特徴を理解しながら、勉強を進めていることが、本当に伝わるお話でした。この度はお忙しい中貴重なお話を共有してくださり、ありがとうございました。英語は、辛い勉強ではなく、コミュニケーションのツールとして、楽しく勉強したいものですよね!そして、IELTSの合理的な配慮についての内容も参考になりました。きっと、申請を希望される方もいらっしゃると思いますので、ご経験者のお話はとても貴重だと感じます。この度は、本当にありがとうございました。
さて、読者の皆様、Shinichiさん(@MapmanShinichi)はTwitterでも、英語学習の情報をツイートされていらっしゃいます。今回のインタビューでもお話のあったブログ ASD IELTS では、Shinichiさんが書かれたIELTSのエッセイがたくさん掲載されていらっしゃいますよ!ぜひ、ShinichiさんのTwitterやブログも覗いてみてくださいね。
あとがき:発達障害と英語学習について考えること
教員時代、私は発達障害をもっているお子さんと接することがよくありました。
その中でも印象的だったことは、
集中力が続かず、日本語の文章理解が難しい子に対して
英語を教えることでした。
- 英語への興味を出させ
- モチベーションを維持させつつ
- 50分間の授業への集中を続けさせながら
- 一斉授業での授業を進めていく
教師として半人前だった私には、とてもハードルの高いスキルでした。
私自身の人生の中で、発達障害の子どもたちと触れ合う経験が浅かったのでので
- 集中力の維持の仕方には、どのような手立てがより良いのか?
- 英語の勉強に時間を割くのではなく、もっと国語に力を入れてあげないといけないのでは?
と悩む日々でしたので
今回のShinichiさんのお話は私の過去の手立てを振り返りながら
新しい視点を学んぶことができました。
ゆっくりでも楽しみながら英語を身につけようと努力しているShinichiさんのお姿は
「発達障害をもっているから」ということを理由にするのではなく
その特性を自分自身で理解し、自分にあった学習方法を見つける必要性を
多くの英語学習者のロールモデルとして示してくださっている気がします。
それとともに、例えたった一人の体験談でも「発信することは大切である!」と感じました。
なので、このような発信がきっと必要としている誰かの役に立つと、私は信じています。
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