はじめに
こんにちは、Sayaです。
今回は開発学の分野から、私の同期のかずさん(@k0a8z0u6)にインタビューへ伺ってきました。
かずさんは、UCLのMA Education and International Development (以下 EID)の修士号を取得され、現在は国際協力機構 JICAの職員として勤務されております。
教育開発学は教育の分野の知識だけではなく、経済・外交など、幅広い視野で教育というものを捉える必要があり、インタビューをしながら、私自身たくさんの学びがありました。
- UCL MA Education and International Developmentの授業の雰囲気は?
- 修士論文ではどのようなことを研究されたの?
- かずさんのキャリアの描き方は?
- 国際開発の分野における大学院進学の必要性とは?
このようなことが気になった方は、お役に立つ情報が盛り沢山ですよ!
かずさん、この度はご協力ありがとうございました!
UCL MA Education and International Developmentの概要・応募条件
まずは、簡単にUCLのMA Education and International Development (EID) の概要と応募条件をご紹介いたします。
- 期間:1年間
- 応募条件:学部の成績がおおよそGPA3.0以上の者
イギリスの成績基準ではupper second-class以上 - 面接試験:なし
- IELTS:Overall7.0 (each component above 6.5)
- 推薦状:2通
- 授業料:23,300ポンド(約350万) *1ポンド=150円
選択可能な授業は以下の通りです。
- 必修授業
- Education and International Development: Concepts, Theories and Issues
- 選択授業
- Gender, Education and Development
- Education, Conflict and Peace
- Learners, Learning and Teaching in the Context of Education for All
- Promoting Health and Wellbeing: Planning, Practice and Participation
- Education and Muslim Communities
- African Studies and Education
- Migration, Education and Development
- Reimagining ‘Disaster Education’: Perspectives and Methodologies
- Education during Emergency Situations
- Economic Perspectives in Education Policy
本コースでは、この中から、必修授業1つと3つの選択授業の履修
そして、修士論文19,000wordsの執筆が求められています。
かずさんへのインタビュー
こんにちは、かずさん、お久しぶりですね。お元気でしたか?
Sayaさん、元気でしたよ〜。
お忙しい中、この度はインタビューにご協力くださり、本当にありがとうございます。今は、JICA本部にお勤めですよね?お仕事はお忙しいですか?
そうですね、忙しいですね。でも、ずっと目指していた職につけたので、やり甲斐を感じます!
うんうん、ロンドンで出会った頃も、ずっとJICAの職員になりたい!っておっしゃっていましたもんね。本当、目標が達成できてよかったですね。改めて、おめでとうございます。
ありがとうございます。
大学卒業後から今までのキャリアについて
かずさんは、今のお仕事に就くまで、いろいろなキャリアをご経験されてきましたよね?それをぜひ、教えていただけますか?
はい、もちろんです!
まず、大学卒業後、公立高等学校の英語科教員として勤めました。2年半勤めた後に退職し、JICA海外協力隊に参加しました。
うん、そうでしたよね。最初のキャリアは、私と同じ英語の教員だったんですもんね!
はい、そうです。
JICAの海外協力隊としては、ニカラグアで小学校教育隊員として活動しました。赴任中に反政府派デモが過激化し、2年弱で特別任期短縮となり、日本に緊急帰国をします。
あぁ、そうなんですね。それは大変でしたね、プロジェクトも途中でしたでしょうし、なんだか、心残りでしたね・・・。
そうなんです。ただ、協力隊参加前から協力隊後には英国大学院へ留学すると計画していたので、渡航直前まで短期で雇ってもらえる職場を探していたんです。それで、JOCA(青年海外協力協会)で海外研修員のプロジェクトコーディネーターのポストを用意して頂き、1年弱勤務します。
そうなんですね〜。そして、UCLに留学されたんですか?
はい、そうです。その後、UCLへ留学しました。ただ・・・、これまたCOVIDの影響で緊急帰国となるんですよね。
もう、本当に・・・あの日々は散々でしたよね・・・。
コロナがイギリスで蔓延しはじめた時は、この先どうなるんだろう・・・という感じで、絶望しましたよね。
うん、そうでしたよね〜。そして、結局、私は日本から遠隔で修士論文を書き終えることになりました。その後、国際機関(国連児童基金:UNICEF 東京事務所)で4ヶ月間インターンとして勤務し、現在は国際協力機構(JICA)の中南米部で勤務しています。
なるほど〜、これまで色々なご経験を経て、今に至っているということですね!開発学の分野で留学を目指している方はとても多いと思うので、かずさんのキャリアパスは参考になると思い、少しわかりやすくまとめてみました!
\ かずさんのキャリアパス /
- 大学卒業
- 公立高校教員 英語科(2年半)
- JICA 海外協力隊 ニカラグア(1年弱)
- JOCAで海外研修員のプロジェクトコーディネーター(1年弱)
- UCL MA Education and International Development(1年弱)
- 国連児童基金:UNICEF 東京事務所インターン(4ヶ月)
- 現在:国際協力機構(JICA)の中南米部 勤務
国際協力の道に進もうと思ったきっかけ・国際協力の魅力
さて、キャリア形成の根幹の部分になるのですが、そもそも、かずさんは、どうして国際協力の道に進もうと思ったんですか?
えっと・・・、大学卒業前にバックパッカーとして東南アジアを旅したのですが、その際に路上で観光客に対してお花やブレスレットを売っている子どもたちに出会いました。所謂チャイルドレイバーやストリートチルドレンと呼ばれるような子たちでした。
これまでも「世界がもし100人の村だったら」等で読んだり聞いたりしたことはありましたが、実際に出会うのは初めてでした。そこで初めて「貧困」や「格差」といった国際課題をジブンゴトとして捉えるきっかけがあり、国際協力の道へと進む決心をします。
>>参考文献:世界がもし100人の村だったら 池田 香代子(著)
そうなんですね〜。私もストリートチルドレンと初めて出会ったのは、フィリピンででした。とても衝撃的ですよね。確かに、私も色々と考えましたね、、、。
ただ、私は、当時20歳そこそこでしたから、まずは専門性を身につけようということで教員採用試験を受け、国内の公教育に従事することにしました。
なるほど。そこがね、私とかずさんの共通点な気がするんですよね。私も大学生のころは、かずさんと同じ思いで、教師としての立場で国際協力の道を目指していた日々もありましたよ〜。
ちなみに、かずさんにとって、国際協力の魅力って何だと思いますか?
国際協力の魅力は、何といっても広い世界を経験できるということだと思います。
うん、うん、例えば?
例えば、中南米にいた時はスペイン語を勉強し、現地の人たちと何気ないコミュニケーションを取る中で、ぜい弱な公共サービスやインフラ整備の下、家族やコミュニティ間の繋がりを強めながら手を取り合い生きているということを知りました。いつ停電するか或いは断水するかという情報や、次に来るバスの時刻すら、そういったコネクションから得る訳です。
たしかに、そうですよね。
日本ではスマホ一つで完結しますが(少なくとも日本に住んでいて停電や断水を経験することは稀でしょうが)途上国ではそのようなサービスが確立されていません。そのようなある種、別世界にどっぷり浸かり、大きな世界の中で人間らしい生活を思い出させてくれるのが国際協力の一番の魅力だと思います。
ですよね〜。私も途上国に何年も住んでいましたが、とくにスリランカでの暮らしは、かずさんの仰る通り、「人間らしい生活」というのを、本当に実感できる日々でした。人生で一度は、そういった途上国での日々を送って、価値観のパラダイム転換を経験するのって、いいことですよね。
UCLに進学した理由
さてさて、かずさんは、そのようなご経験を積み重ねて、UCLに入学されたと思うのですが・・・、UCLを選ばれた理由をおしえていただけますか?
邪な理由になってしまうかもしれませんが、とてもシンプルに申し上げると、世界一と格付けされた教育機関で勉強してみたかったからです。
邪な理由なんて、とんでもないです。私も世界で一番の教育学部で学んでみたいな!って思って入学した一人ですから!
それから、UCLを卒業した多くの方がJICAや国際機関からオファーを獲得しており、修士号取得後のキャリア形成という観点から見ても、非常に有益であると考えたからです。
なるほど〜。あとは、キャリアという視点ですね。確かに、UCLを卒業された方々は、国際機関で働いている方々が多いですよね。大学院を選択する上で、卒業生の進路は知っておきたい情報の一つですよね!
MA Education and International Development の授業について
実際にUCLに入学して、授業などはどのように感じましたか?印象的な授業などはありましたか?
とても素晴らしかったです。印象的だった授業というよりは、全体的に講義時間が長くその殆どがディスカッションに割かれているという点にとても感銘を受けました。
そうですよね。たしかに、ディスカッションが中心の授業が多いですよね〜。日本の大学の雰囲気とは違って、積極的に授業に関わっていく雰囲気がありますよね!
>>参考記事:UCL教育社会学コース:授業の様子と最終課題の取り組み方
そうですね。あと、私が感じたことは、授業のスタイルの違いです。これまで私は所謂「日本式の教育」に育てられたので、1つしかない正解を導き出す授業スタイルが多くを占め、多様性を育むような環境ではありませんでした。(但しこれは日本の教育を批判している訳ではなく、調和を大切にする優秀な個を育成し集団を形成していくという社会構造を生み出すという点で、非常に優れていると感じます)
うんうん、そうですよね。
他方で、UCLでの授業は180分の授業(まずこの拘束時間の長さにも驚きなのですが)のうち、60-70分程度の講義を受けた後、残りの時間は全てディスカッションになります。そして、その議論のテーマの殆どが非常に曖昧、かつ答えのない問いなのです。
たしかに、かずさんのおっしゃる通り、この点は、日本の授業形態と西洋の授業形態の大きな差の一つですよね。どちらにも良し悪しがあるので、この点は、日本の授業が良い・悪いの問題ではなく、ただただ、私たちが「慣れていない」ゆえに、現地にいくと、本当に大変なんですよね〜。実際に経験したことで、具体的な例を教えていただけますか?
例えば、「SDGs goal 4によってもたらされる学校現場における教育効果はどのようなものがあるか。」と聞かれた時に、多種多様な答えが様々な国の人たちから出てきました。私もクラスメートとディスカッションをしていると、授業中は興奮するのですが、「で、結局答えは何ですか?」と思ってしまっている自分もいました。
あぁ〜、それわかります!私も、「あれ〜?この授業の課題の答え、何も教えてくれないなぁ〜。何が正解の議論だったんだろう???」と思いながら帰ることが多々ありました笑
ですよね。でも、全ての質問に対して1つの答えを期待してしまうという考え方は、ある種日本的な教育によって刷り込まれた価値観だったかもしれないと、気づくきっかけになりました。
その通りだと思います。無意識で、私たちは「唯一無二の答え」というものを求めてしまっているのかもしれませんね。でも、実は世の中には絶対的な答えって、存在しないことが多かったりするんですよね〜。私も、この点はイギリスの大学院で非常に深く学べました。
修士論文について
つづいて、修士論文についてお伺いしたいのですが、かずさんは、どんなテーマで修士論文を執筆されたのでしょうか?
修士論文は、開発途上国における教員研修会が参加者のwell-beingにどのような影響を与えているかというテーマを選定しました。ケーススタディとして、ニカラグアの小学校算数教員研修会に参加した3名の教員をピックアップし質的な研究を行いました。
使用したセオリーは2つあり、1つ目はアマルティア・センのCapability Approach*1、もう1つは、マイケル・コールのCross-Cultural Theory*2です。
補足説明
*1: 単純な所得の上昇に比例しない人々の生活の質について論じられた理論。最低限の教育や保健などのパブリックサービスに加え、個々の感情、decent job(あえて日本語訳しません)、家族や友人との関係性、レジャー等、マクロ経済的なアプローチとは異なる個人の生活の質に標準を定めた研究。
*2: 文化的背景と教育の関連性についての研究。欧米人の5歳児が解くことが出来る算数の課題をアフリカの民族が成人になっても答えられないこと(彼らの生活様式に関連する同様の学力を測る問題にすると解くことができた)をケーススタディとし、単純な知能の差ではなく、文化的な背景が学習に影響することを論じた理論。
なるほど〜。修士論文を執筆した経験がない方は、修士論文のイメージがわかないと思いますので、少し補足を入れさせていただきますが、基本的には、研究を行う時には、「理論枠組み」が求められます。(分野にもよりますが)その理論枠組みを、かずさんの場合は、Capability Approach とCross-Curltural Theoryという二つのセオリーを用いたということなんですね。
はい、そういうことです。
そして、教員研修会が、教師のウェルビーイングにどう影響を与えているかということを分析されたということなんですよね。ウェルビーイングというと、最近、日本でも、注目を浴びている概念で、「幸福」と訳されることが多いのですが、長期的に心が前向きで、幸せに物事に取り組める心身の状況を示すといったように私は理解しているのですが、どうでしょうか?
そうですね。そのような理解で正しいと思います。それに合わせて、Sen やNussbaumといった学者は、最低限の人間らしい生活を送るためにクリアしておくべき、生活環境や人間関係、感情があるよねと言及していて、それらの達成にはPublic Serviceの確保が特に重要であると言及しているのです。
なるほど〜!そして、結果はどうでしたか?
結果として、ピックアップした教員は3名全員が、研修会について非常にポジティブな反応でした。
つまり、教員研修会が教員のウェルビーイングに効果的であるということを証明できたということなんですね。
そうなんです。ですが、この研修会は、JICAの技術協力プロジェクトで開発された教科書や教員用指導書を使用しながら、日本式の算数教授法等を紹介することが多かったので、JICAボランティアとして活動していたことのある私がインタビュアーをしてしまっていることから、少しバイアスがかかってしまったかもしれません。
なるほど〜。でも、イギリスの大学院は限られた時間の中で修士論文の執筆をするので、限定的なものとなってしまうのは仕方ないことですよね。そのバイアスを認識することも、研究をする上で重要なポイントですよね。
そうですね。今回の研究では、結果として私がJICAの一員としてこの研究を扱ってしまったかもしれないというlimitationは否めませが、現場で実際に関わっていたプロジェクトについて分析し得た結果は、大きな財産になりました。
UCLでの学びが次のキャリア選択にどのように繋がっているのか?
つづいて、UCLで学び、修士論文を書き上げ、大学院を修了したことは、キャリア選択の上で、どのようにつながっていると思いますか?
私は、国際協力の場で必要とされる学問である開発学修士をUCLのIoEで取得したからこそ、現在のポストに就くことができたと思っています。
うんうん、具体的にどんな時に感じますか?
私が研究の際に引用したセオリーや先行研究の多くは「国際開発」に関連したものです。職場では、どのようなプロジェクトを実施すれば、開発効果が現れるか、開発途上国の社会的・経済的発展に資するかという議論が日々行われます。セクターは教育だけでなく、保健やエネルギー、インフラ、マクロ経済、最近ですとDxやイノベーションについても頻繁に取り扱われ、個々の分野の専門家やコンサルタントが提案してきたプランニングに対して、コメントをしなければならない立場です。教員と協力隊の経験だけですと、今のポジションは難しかっただろうなと思いますし、仮にうまく入り込めたとしても現在のようなパフォーマンスは期待できなかっただろうと推察します。UCLで開発学を学んだからこそ、今の自分があると思います。
なるほど〜。国際開発という分野を考えると、教育は一つの要素であって、その他、たくさんの要素が絡み合っているわけですから、物事を複数の視点で分析する力というのが、当然求められますよね。それこそ、大学院で身につけるべき力そのものですね!
国際開発分野における大学院留学のメリットは?
国際協力といっても様々な貢献の仕方(NGOや開発コンサルタント、UN等の国際機関)があるのですが、特にJICAで勤務をする中で、大学院での経験が生きているなと感じる点は、ドキュメントを読む力が求められているときでしょうか。
ほぉ〜、ドキュメントを読む力と言いますと・・・論文のような感じなんですかね?
論文と言いますか・・・、JICAの本部にいると、大量のドキュメントが様々なステークホルダーから送られてくるんです。仕事では、それらを素早く読み込みコメントや修正をすることが求められます。
あれ?それは、なんだか身に覚えがあるような状況が浮かんできますが・・・。
ですよね・・・。大学院で研究をしていた際も、とにかく沢山の論文を読まされた(ネガティブな表現ですみませんが…)ので、UCLでの経験は、要点を素早くキャッチし書き手の意図を理解するという力は養われたと思います。嫌になる程研究論文を読んだ経験が後の業務に生きてくるとは思いませんでした。
ね!!笑
私は、論文の大海原で溺れている気分でした笑
でも、その経験が今生かされているとは、素晴らしいですね!
あと、UCLで学んだことで、世界中に国際協力や教育に携わる仲間ができたことも貴重な財産となりました。在学中に仲良くなった友人はUNESCOやDFID等の国際機関や政府機関、或いは大学や各国のNGOで仕事をしていて非常に刺激を受けます。
そうですよね〜。国際機関に就職される方が多いのもUCLの特徴の一つですもんね。
それから、英国で知り合った日本人の方々も非常に魅力的な方ばかりで、Sayaさんもそのお一人ですが、日本で仕事をしているだけでは絶対に出会えなかったと感じます。本当にネットワークがこれだけ広がっただけでもUCLに学費を支払った価値があると言えます(笑)
うんうん、私もかずさんと出会えて、本当に視野が広がりましたよ〜。ありがとうございます!
ですから、もし大学院留学についてどうしようかと迷っている方がいらっしゃいましたら、是非積極的にチャレンジして欲しいです。
大学院留学を目指している方や、国際協力の道を目指している方々へアドバイス
最後になるのですが、もしよろしければ、今後大学院留学を目指している方や、国際協力の道を目指している方々に向けてメッセージをいただけないでしょうか?
私もまだまだ国際協力のキャリアをスタートさせたばかりですので、あまり偉そうに言える立場ではありませんが、とにかく何事にも臆せずチャレンジすることだと思います。そして、原体験を大切にして欲しいと思います。実際に途上国で生活してみて、何も感じないという日本人はいない(と勝手に思っています、そういう人はそもそも国際協力には向いていないかもしれませんが…笑)と思うので、そういった環境に主体的に飛び込んでみてほしいです。そこで感じたご自身の思いが正に地球規模課題であり、ジブンゴトとして捉えることができたなら、自分たちには何が出来るのかと深い思考を巡らせることがネクストステップではないでしょうか。
「ジブンゴトとして捉える」これは、国際協力の分野だけでなく、文理系、どの分野にも共通して重要なポイントの一つですね。課題を見つけた時に、自分ならどうする?どうすれば、解決できるのか?といった視点を常に考えていることは、大切な気がします。
私は協力隊として活動をしていた際に、当時のVC*5さんによく言われたことがあります。「我々がやっていることは、太平洋に小石を投げ入れるような行為ですから、一人では大きな波を起こすことは難しいかもしれません。日本のODAの協力者を少しずつ増やしながら、大きな開発効果を生み出すまでには長い年月がかかります。」私一人が出来ることは限られていますが、例え小さな国際協力活動であっても、親日派や知日派人材を増やしつつ、日本のODAのプレゼンスを世界中で高めながら、包括的なアプローチで国際課題の解決に貢献したいと考えています。今後、同じ志を持つ仲間が少しでも増えてくだされば嬉しいなと思います。
補足説明
*5: ボランティア調整員。現地での協力隊の活動をサポートしてくださるJICAスタッフ。
VCさんのお言葉、とても心に響きますね。確かに、私たち一人一人ができることは限られているかもしれませんが、でも、続けることで何かは必ず変わるものですからね!
かずさん(@k0a8z0u6)、この度は、お忙しい中インタビューにご協力くださり、本当にありがとうございました。かずさんの思いは、きっと、途上国の方々に届いているはずですし、これからも、かずさんのご活躍を応援しております!
あとがき
今回の記事を読まれたみなさん、かずさんのお話を知ってどう感じられたでしょうか?
私は過去に途上国・新興国とよばれる国に計8年住んでいた経験があります。
その経験は、私が物事に対して常に「なぜだろう?」と疑問を投げかける姿勢につながっている気がします。
それだけ、途上国に住んでみると
日本の「当たり前」が当たり前ではないんだということを実感できるんですよね。
そんな経験を経て、一度は私も、かずさんのように協力隊に参加し
開発学の道を歩んでみたいと願っていました。
それが、少し道は外れてしまったものの
こうして、イギリスの大学院に留学し
私が目指そうと思っていた道を歩まれている、かずさんのような方と出会い
国際課題や教育課題について語り・話し合った経験は
私の留学経験の中でも、非常に貴重な1ページです。
そう考えると
人生における経験で無駄なものは一切ないと感じます。
私もかずさんの仰る通り、これからも原体験を大切にしていきたいなぁと思いました。
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